2023年5月4日木曜日

生成AIの利用ガイドライン

5月1日に日本ディープラーニング協会(JDLA)が生成AIの利用ガイドラインを公開した。

会社や学校などの組織で生成AI(ChatGPT)を業務で利用する際のガイドラインのひな形となるもので,安心して利用を進めることができるようにというコンセプトで書かれている。ユーザが何らかのデータを入力して何らかの処理(保管,解析,生成,学習,再提供等)が行われ,その結果(生成物)を得る」という構造を前提として,(1) データ入力に際して注意すべき事項と(2) 生成物を利用するに際して注意すべき事項の2つの部分から成り立っている。

データ入力:
日本の著作権法30条の4の「情報解析」非享受利用のために,多くの場合情報入力が法的に問題となることはない。ただし,出力との関係で注意すべきだという組立になっている。
(1)第三者が著作権を有しているデータ(他人が作成した文章等)○
(2)登録商標・意匠(ロゴやデザイン)○
(3)著名人の顔写真や氏名○
(4)個人情報×△
(5)他社から秘密保持義務を課されて開示された秘密情報×
(6)自組織の機密情報△
×は法的に問題となるケース,△は法的には問題ないが,それ以外で問題となるケース,○は法的には問題ないケース

生成物:
(1)生成物の内容に虚偽が含まれている可能性がある
(2)生成物を利用する行為が誰かの既存の権利を侵害する可能性がある
  ①著作権侵害
  ②商標権・意匠権侵害
  ③虚偽の個人情報・名誉毀損等
(3)生成物について著作権が発生しない可能性がある
  ①画像生成AIの場合
  ②文章生成AIの場合
(4)生成物を商用利用できない可能性がある
(5)生成AIのポリシー上の制限に注意する

ということで,それぞれの項目については解説がついていて,各組織において判断をすることが必要となっている。

さっそく反論が出てきているので[1],これはそう簡単な話ではなかった。


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