2022年10月25日火曜日

ドーナツ地球(1)

ドーナツ地球というのが目に入った。次のようなイメージである。 


図:ドーナツ地球のイメージ(どこぞのYouTubeから引用)

詳しい話が,Gigazineの2014年の「もしもドーナツ状の地球が存在したらそこはどんな世界なのか」にあった。その元記事は,Anders Sandbert のdistributed brainにある Torus-Earth である。重力の大きさ(等ポテンシャル面)の分布図があったけれど,いまいちピンと来ない。

自分で計算してみようとしたけれど,どうやって積分したらよいかで行き詰まる。そもそも,これを太さのない線密度だけのリングだとしても,楕円積分が出てきてどうしましょう状態になりそうだ。円環状の電荷分布が作る電場や電位の演習問題と等価だが,円環の中心を通る対称軸上の値を求める問題解答しかみあたらない。

そこで,このドーナツを球に分割して,その和で重力を近似してみることにする。ドーナツの穴が1地球分空いていて,まわりに6地球を配置すると収まりがよい。取り巻く地球間の6つの隙間は,それぞれ約1/2地球分の体積となる。そこで,その分の小地球を6地球の間に重ねて配置し,重力はこれらの12個の大小の地球を各中心に質量が集中した質点だと近似して計算する。

6地球の1つ(中心の座標が$\bm{R_N}$)を取り出して,トーラスの円環軸に垂直な断面の大円をとる。大円上の点Pの座標を$\bm{r}=  \bm{R_N} + (R \cos \theta, R \sin \theta ) \quad 0 \le \theta \le \pi $とする。P上の質量$m$の物体に働く重力加速度は $\bm{F}/m = \sum_{i=1}^{12} G M_i \dfrac{\bm{r}-\bm{R}_i }{|\bm{r}-\bm{R}_i |^2}$となる。


図:ドーナツ地球を球体の集合で近似する

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