2021年2月21日日曜日

流体抵抗力(1)

 空気中を運動する球状の物体に働く抵抗力を考える。球体の速度 $v$ における流体抵抗力を $ F(v) = \dfrac{1}{2} C_{\rm D} \, \rho A v^2 $ とする。ただし, 空気の密度を$\rho$,球の断面積を$A=\pi R^2$,抵抗係数を $C_{\rm D} $とおいた。

この抵抗係数 $C_{\rm D} $は レイノルズ数 $Re$の関数としていくつかの式で表される。一つは,F. M. White の Viscous Fluid Flow の (3-225) 式で,球体の流体抵抗力がレイノルズ数の関数として次式で与えられている。

\begin{equation*} C_{\rm D}  \approx \dfrac{24}{Re} +  \dfrac{6}{1+\sqrt{Re}} + 0.4 \quad \quad 0 \le Re \le 2 \times 10^5 \end{equation*}

もう一つは,エアロゾルペディアの流体抵抗力のページにあるものだ。

\begin{equation*} C_{\rm D}  = \dfrac{24}{Re} \hspace{6cm} 0 \le Re \lt 0.1 \end{equation*} \begin{equation*} C_{\rm D}  = \dfrac{24}{Re} \Big( 1 + \dfrac{3}{16}Re + \dfrac{9}{160} Re^2 \log(2 Re) \Big) \quad \quad 0.1 \lt Re \lt 2 \end{equation*} \begin{equation*} C_{\rm D}  = \dfrac{24}{Re} \Big( 1 + 0.15 Re^{0.687} \Big) \hspace{3cm} 2 \lt Re \lt 500 \end{equation*} \begin{equation*} C_{\rm D}  = 0.44 \hspace{5cm} 500 \lt Re \lt 2\times 10^5 \end{equation*}

なお,レイノルズ数は,慣性力と粘性力の比を表す無次元量であり,流体中を運動する球体の半径を$a$とすると,$Re=\dfrac{\rho 2a v}{\eta}$ ただし,$\eta$は粘性係数である。

0 件のコメント:

コメントを投稿