2020年8月28日金曜日

量子論の整合性

ETHのD. Frauchigerと R. Rennerによるネイチャー・コミュニケションのオープンアクセス論文,"Quantum theory cannot consistently describe the use of itself",は2018年に発表されていたが,今ごろその情報が伝わってきた。アブストラクトをDeepLで翻訳してみる。R. Rennerの論文はいろいろとおもしろそう。

量子論は物理学の基本的な過程を非常に正確に記述しています。そのため,この理論は,これまで実験的に検証されてきたミクロな領域を超えて応用できる可能性が高いと考えられています。ここでは,量子論が原理的に普遍的な有効性を持つことができるかどうかを調べるための実験を提案します。もし,その答えがイエスであれば,量子理論を使っているエージェントを含む複雑なシステムをモデル化することが可能であるはずだという考えです。この仮定の下で実験を分析すると,あるエージェントが特定の測定結果を観察すると,別のエージェントが確実に反対の結果を予測したと結論づけなければならないことがわかります。これらのエージェントの結論は,すべて量子論の中で導き出されたものであるにもかかわらず,矛盾しています。このことは、量子論は複雑なシステムには外挿できないことを示しています。

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