2018年12月26日水曜日

文学のふりかけ

齢を重ねると小説を書きたいという人が一定の割合で増えてくるような気がする。
以前,出席した同窓会でもそんな発言があってちょっとドキッとした。こんなにストレートに思いを表現しても良いのだ。さて,我が身を振り返ると,星新一賞はすでにご近所の方が獲得されてしまい,自分にはこれといった得意分野もなく,最近のSFはというと(例えば「トランスヒューマンガンマ線バースト童話集」)遠く先の方に進んでしまってとても追い付けそうにもない。

しかし,文章をあれこれ練るのは論文を書くのと同様にたいへん楽しい活動である(ということをこのブログによって再認識した)。そこで,安藤百福のように新しい方法がないかと考えたところ,第一の問題は材料である。比べるのも申し訳ないが,高村薫でも相当の取材をしてそこから文学のクッキングを始めているようだ。すでに自分の経験の中に材料があれば問題ない。そうではなくて,意気込みだけはあるが年金生活のために材料が買えない,とか,知的資産として蓄えるのを怠っていた場合になんとかできないかということ。

で,「文学のレシピ本舗(仮称)」が発売するインスタント知的食品「文学のふりかけ(2018.12.26 google未定義語)」を購入してもらう。様々なフレーバーのテキストを用意して,そこから形態素解析などで抽出した単語やセンテンスをフレーバーごとにパッケージ化する。この何種類かのスパイスを適当な割合で混ぜて,ベースとして埋め込んだページが標準で提示される。単語が薄い密度であらかじめ埋め込まれたページ群である。これらの言葉に自分のオリジナルな思考を結合し,消去し ,連想しながら言葉を書き加え,文章に編み込んでゆく。あとはシェフの腕次第。

古典フレーバーのパッケージもほしい。文楽浄瑠璃パッケージ(時代物編乾)とか文楽浄瑠璃パッケージ(世話物編坤)とか宇治拾遺物語パッケージ(仏教編空の巻)とか。というところで,形態素解析の古語版が必要だということに気がついた。そんなものがあるのか。ありました。国立国語研究所のUniDicである。商用利用は要相談だそうなので,落ち着いて試してから相談してみよう。というようなことをしている時間はもうあまりない。







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