2024年10月12日土曜日

解散詔書

10月9日の午後に衆議院が解散した。中継をみていたけど,なんだかグダグダしていた。

衆議院解散によって,その時点で直ちに衆議院議員は議員としての地位を失う。再び新たに選出された衆議院議員が地位を得るのは,衆議院議員選挙の投票が確定した時点らしい。たぶん。衆議院議員としての地位がなくなっても,現在の内閣はそのまま存在していて職を継続している。石破総理大臣も林官房長官も活動しているのがテレビや新聞の報道でわかる。

今回の衆議院解散がグダグダだったのは,額賀議長が詔書の朗読途中で少し言いよどんで間ができてしまい,万歳のタイミングもずれてしまって(理由はそれだけではないだろうが)閑散としたものだったからだ。

衆議院解散が可能であるのは,憲法第69条「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」により内閣不信任案に連動するものと,今回のようにそれ以外で総理大臣が解散権を行使する場合になる。後者をいわゆる第7条解散とよんでいる。

ただし,憲法第7条は,天皇の国事行為を定めたものである。その中に「三,衆議院を解散すること」とあるのが根拠とされるとよくいわれるが,学説はもう少し複雑な論理構成でこれを正当化している。いずれの場合も手続き的には憲法7条の国事行為の形式に則るため,天皇の御名御璽のある解散詔書には,いずれの場合にしても「日本国憲法憲法七条により,衆議院を解散する」となっている。これを理解していない国会議員が多いので,えーっということになって,議長が困ったりするわけだ。

解散詔書朗読時の具体的な手順や表現などについては,資料[1]が詳しい。


写真:1983年の衆議院解散詔書の例(Colorless Green Historiesから引用)

[1]衆議院解散時の詔書朗読と万歳のタイミング(Colorless Green Histories)

0 件のコメント:

コメントを投稿