2024年9月18日水曜日

ピロリ菌(2)

ピロリ菌(1)からの続き

6月のピロリ菌除菌薬の服用から3ヶ月,天理市立メディカルセンターに除菌結果の検査をする日がやってきた。尿素呼気試験法というもので,呼気を調べることでわかるというのだが,はて?まさか,ピロリ菌が呼気に飛び出してくるわけでもなかろう。

実際の手順はこんな感じ。2つの同じ袋を示された。まず息を吸ってからしばらく止めて,1つ目の袋に呼気を吐き出す。200mL程度だろうか。次に小さな白い錠剤を1粒,100mLの水で飲んだ後,診察台で左下に横臥して5分待つ。それから診察室の椅子に座ってさらに15分じっとしている。スマホはみてもよい。小児科の診察室なので風葉ちゃんの大好きなアンパンマン人形が置いてある。最後に2つ目の袋に呼気を吐き出して終了だ。

帰宅してから,この検査はどんな仕組みになっているのかgoogleで調べたところ,大塚製薬の「ピロリ菌の検査と除菌治療」がわかりやすかった。その説明は次のようなものだった。
ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素により、胃の中の尿素を分解して、アンモニアと二酸化炭素を生成します。尿素の分解により、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。この試験法は、この原理を利用して、検査薬(13C-尿素)を患者さんに服用して頂きます。ピロリ菌に感染している場合では、尿素が分解されるため呼気に13CO2が多く検出されることになります。一方ピロリ菌に感染していない場合では、尿素が分解されないため13CO2の呼気排泄はほとんど起こりません。
えーっ同位元素を使うのかと驚いたところ,よく考えたら炭素13は放射性同位元素ではなくて,地球存在比1.1%の安定同位元素だった。なんのことはない,昔,佐藤さん,大坪先生と連名の論文 "Electron scattering and charged pion photoproduction on12C and13C" で扱っていた。あるいは,自分のドクター論文にも13Cの遷移図を描いて計算していたのだった。



図:尿素呼気試験法の仕組み(大塚製薬から引用)

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