2023年9月5日火曜日

水産物の禁輸

ALPS処理水の放出の後,中国と香港が日本からの水産物の輸入を禁止した。日本の漁業関係者や,中国で日本水産物を扱ってきた人々は大変なことだと思う。日本近海で漁をしている中国漁業関係者にとってはチャンスかもしれない。

令和四年度の水産白書には,日本の水産物輸出の状況が説明されている。そもそも,2016年以降,肉の消費量が魚のそれを上回ってしまい,日本人が魚介類を食べなくなってしまったのが問題だ。こどもが魚を嫌い,値段は高く,調理も面倒だからだというのがその理由だ。

その分は輸出に活路を見いだそうということになる。2022年度の日本の水産物輸出額は3900億円に達しており,その42%の1600億円が中国・香港むけである。ここまでは良く報道されている。その内訳はどうか。輸出品目の一位がホタテ貝(23.5%)で,その半分が中国向けだ。五位のナマコ調製品(4.8%)の89.3%と六位のカツオマグロ類(4.6%)の35.8%が中国・香港向けだ。それ以外は少ないのでこれでほぼ全体像がわかる,と思いきや中国で285億円(33%),香港で405億円分(54%)はその他の水産物だ。なお,三位の真珠の72.7%は香港向けだけれどこれは食べないからなあ。

結局,主にひどい目にあうのは北海道のホタテ業者(ほぼ100%)と北海道・青森・山口のナマコ業者(これで50%)ということなのか。

NHKのクローズアップ現代で,「フクシマ」論の元凶の開沼博が国民一人1600円魚を食べて応援しようという酷い発言をしていた。単純な自分は思わずうなずいて騙されそうになってしまった。食べて応援する場合は,ホタテとナマコを中心としてあと少しのマグロ・カツオを加えることを忘れないようにする。


図:ホタテとナマコ(どこぞからコピペして加工したもの)

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