2022年12月9日金曜日

SCOAP3 Books

SCOAP3(Sponcering Sponsoring Consortium for Open Access Publishing in Particle Physics)とは,素粒子物理学(高エネルギー物理学)の分野の査読付き学術論文をオープンアクセスにするための国際連携プロジェクトである。世界各国の研究助成団体や図書館がコンソーシアムを形成し,従来図書館が出版社に支払って きた購読料を論文出版加工料(APC)に振り替えることで,高エネルギー分野の主要な学術雑誌のオープ ンアクセスを実現するものだ。

日本でも,理学部などを抱える多くの大学や高エネルギー加速器研究機構理化学研究所国立情報学研究所など81機関がSCOAPに参加している。全世界では3000の図書館がこの資金調達に関わっていて,Physical Review(D, Cも含まれている)やNuclearPhysics B(Aは含まれていないのか)など,11雑誌がオープンアクセスになった。このため,日本のProgress of Theorerical Physicsの後継者である Progress of Theoretical & Experimental Physics もオープンアクセスなわけだ。

その,SCOAP3は,論文だけでなく,書籍(モノグラフ・教科書)のオープン化をはじめた。その結果,現時点で60冊がSCOAP3 Books(オープンアクセスの教科書)として公開されている。すごいなあ。できれば,これが物理学や数学の全分野や,他の自然科学の分野にまで広まってほしいのだが・・・


図:SCOAP3の仕組み(SCOAPより引用)

0 件のコメント:

コメントを投稿