2022年9月16日金曜日

ファクターX

2年半前の2020年春,新型コロナ ウイルス感染症の蔓延が始まったころ,欧米諸国に比べて日本の感染者数や死亡数は圧倒的に少なかった。その原因は何かということで,あれやこれやの説があったが決定的な証拠がなくて,当初はファクターX(あるいはなぞなぞ効果 by コロラド先生)とよばれていた。

その後,優等生だったニュージーランドや韓国や台湾でも感染が急拡大してしまい,日本を含む東アジア太平洋地域の特殊性というのは,いつのまにか話題にならなくなった。

2022年夏の第7波のピークを過ぎた頃から,感染者数が過去に比べてかなり大きいにも関わらず,重症化率や致命率がそれほどでもないという理由で,様々な規制が緩和されようとしている。WHOも,コロナの終わりが視野に入ってきたと口走るようになった。

データアナリスト(マーケティングリサーチャー)の萩原雅之さんが,Our World in Dataから,日本の人口当たりの新規感染者数を世界と比較していたので,死亡数や致命率もあわせて確かめてみることにする。やはり,第6波以降の報告値は大きく変わってしまった。なんでだろう。




第1,2波では世界平均の1/10ほどだったものが,第3,4,5波では。2-3分の1程度になり,なぞなぞ効果は消えたといわれた。さらに,第6波では世界平均を上回り,第7波では逆に1桁近く日本の方が大きくなってしまった。現時点では主要国中,台湾,韓国,に続き第3位になっている。





死亡数でも感染者数と同様の傾向があるが,世界平均を上回るのは第5波からである。第7波では,人口当たり死亡数は世界平均を1桁近く上回り,現時点では主要国中第1位になっている。ほとんどニュースでは取り上げられていないけれど。そして,その日本の中でもダントツなのが維新に牛耳られている大阪





第1波から第4波の致命率は2〜5%もあって,行動制限も当然という状況だった。第5波には1%前後まで収まり,第6,7波にかけては0.1%のオーダーまで下がっている(たぶんそれでもインフルエンザよりは高い)。これがこのまま続くのかどうかは変異株の性質次第かもしれない。

東京における第7波の新規感染者数のピークは8月の第1週の3.3万人/日であった。現在まで,平均3.4%/日の割合で減少している。これが続けば,9月末には5700人/日,10月末には2000人/日,11月末には700人/日とおさまるペースだ。第8波については,変異株や冬場に向かう環境変化の効果次第でどうなるかわからない(なお,全国の値は東京の7-8倍程度である)。

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