2021年11月30日火曜日

防災省

 NHK午前の「みみより暮らし解説」で,富士山噴火における火山灰被害が取り上げられていた。首都圏の人にとっては非常に重要なテーマだ。調べてみると,NHKではしばらく前から,富士山噴火のリスクについての番組が多くなっている。どんな意図なのかわからないが(改憲時の緊急事態条項がらみか)キャンペーンを繰り広げている。

2001年の中央省庁再編の際に,運輸省,建設省,北海道開発庁,国土庁が統合して国土交通省ができたが,このときに国土庁にあった防災局が内閣府に移管されている。その内閣府の防災情報の火山対策のページの中に,2020年3月まで設けられていた大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループの資料がある。

これによれば,風向きにもよるが首都圏では最大10cmの降灰が数日でおこる。桜島の近くの鹿児島市の場合でもここ10年間の1月あたりの最大値が1650g/m^2なので(火山灰の平均密度を1g/cm^3として)高々1 mmの降灰である。その100倍のオーダーの火山灰が首都圏の4000万人に降りかかることになる。

その結果,(1) 電力網の漏電,(2) 火力発電所のエアフィルタ詰まり,(3) 上水道の汚染,(4) 下水道の詰まり,(5) 電車・列車運行の停止,(6) 自動車交通の渋滞・停止,(7) 航空機の停止,(8) 呼吸器などへの健康被害,(9) 火山性ガスによる金属腐食 などなど,社会生活への致命的ダメージが懸念される。沖縄などの軽石被害もたいへんだが,その比ではない。

どう考えても,防衛省の5兆や6兆の防衛費は,災害防衛費(感染症対策含む)に統合(組織も含めて)したほうが,日本の国土とそこに住む人々を守るにふさわしいような気がして,防災省で検索したところ,関西広域連合や石破茂によってそんな話題がすでに出ているのだった。


写真:1707年の宝永噴火絵図(NHK 富士山噴火降灰シミュレーションから引用)

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