2021年1月9日土曜日

パルスオキシメーター

ついこの間まで,パルスオキシメーターのことを「パルスオキシメーター」 とよぶのだと勘違いしたままだった。テレビのニュースで,ようやく誤った知識が訂正された。

パルスオキシメーターは光を使って血液の酸素飽和度を測る装置である。新型コロナウィルス感染症において,無症状の段階でもその兆候を捉えるために用いられるというニュースだったような気がする。

酸素飽和度(SaO2)は,血液中のヘモグロビンが酸素と結合している割合を表す量であり,ヘモグロビンをHbと書くと,[HbO2] = HbO2 / (HbO2+Hb)として,実際には,(HbO2) = [HbO2]/ [HbO2]max で与えられる。maxは最大酸素飽和度の場合の値を意味しているので,(HbO2)の最大値は100%になる。なお,酸素飽和度には,SvO2(静脈酸素飽和度),StO2(組織酸素飽和度),SpO2(末梢酸素飽和度)があって,パルスオキシメータで測定されるのはSpO2である。

パルスオキシメータの原理については,コニカミノルタのページが詳しい(1977年に世界で最初に商品化した)。Hbは赤色光をよく吸収するが,HbO2は赤い光を透過するので血液が赤く見える。一方,HbとHbO2はともに赤外光はあまり吸収しない。そこで,赤外光IRを基準とした赤色光Rの強度,R/IRがわかれば,HbO2/Hbがわかることになる。パルスオキシメータでは脈動する血液についてのR/IRの変化成分を測定するため動脈血を見ていることに対応する。

SpO2が95%以上であれば正常,90-95%で注意,90%未満ではなんらかの処置が必要となる。ただ,新型コロナウイルス感染症の低酸素症では,よくわからないことが起きているようだ。

なお,ヒトのヘモグロビンは,ヘムとよばれる鉄原子を中心とした錯体をかこむ4ユニットから成る分子量64500のタンパク質分子である。

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