2020年10月17日土曜日

従一位

 2019年の11月29日に亡くなった中曽根康弘の内閣・自民党合同葬が,10月17日午後2時からグランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで開催される。3月15日に行われる予定だったものが,新型コロナウイルス感染症のために延期されていた。これにともなう公費支出や各省庁・学校,裁判所などへの弔意表明要請の通知に抗議が集中している。一方,これまでにも前例があるということで擁護する意見も出ているが,微妙に条件が異なるため丁寧に見る必要がある。

菅首相による新自由主義的再編の精神的シンボルとして位置づけれられるのかもしれないこの問題が,学術会議問題や対面授業問題とも共鳴・干渉して,大学へは暗黙の(むしろ明示的な)圧力となっている。

その中曽根は,没後に従一位に叙せられている。日本の位階制度をみると,第二次世界大戦後に生存者に対する叙勲は停止されていたが,1947年に位階令が改正されて復活している。

現行の位階は,正一位(しょういちい)から従八位(じゅはちい)までの16段階となっている。1960年以降に没後追賜で従一位(じゅいちい)に叙されたのは,鈴木貫太郎(1960正二位),吉田茂(1967正三位),佐藤栄作(1975従四位),中曽根康弘(2019従六位)の4人だけだ。なんだか生前の位階と比べるとインフレ気味に感じるのは気のせいか。他の内閣総理大臣らは正二位に並んでおり(注:宮澤喜一は大勲位も位階も辞退している),従二位に湯川・朝永・八木・長岡などの名前が見られる。松下幸之助・井深大・盛田昭夫は正三位(しょうさんみ)なのか。


[1]「中曽根首相「1億円合同葬」強行、しかも教育現場に弔意強要 菅政権は「前例踏襲」と説明するが、明らかに特別扱いが…」(リテラ,2020.10.17)
[2]内閣総理大臣の位階勲等(歴代内閣)
[3]美輪明宏 v s 中曽根康弘(堺からのアピール,2013.03.05)

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