2019年9月27日金曜日

ニュースソースとしてのSNS

関西電力役員の背任に相当する原発マネー還流事件が発生している。それは,それとして,NHKの7時のニュースでは,SNSにおけるユーザの意見をいつものように取り上げていた。ある意味,街頭インタビューに相当するものと考えているのかもしれないが,顔も名前も見えない匿名のコメントを平気で使う神経が気味悪い。いや,いまの報道に関る若手記者にとっては,SNSを含むネット空間の情報は空気のようなものであり,むしろそれに依拠しないほうがおかしいと思っているのかもしれない。

インターネット空間には,政治的なPA(パブリックアクセプタンス)が満ちあふれていることや,エコーチェンバー効果が指摘されていることから,よほどの注意が必要だと思う。また,短いセンテンスに切り詰められた定型詞の使い回しや,統計科学への過度の依存が,情報の真偽が多数決で決定されるものであるかのような幻想を振りまいている。新聞やテレビや週刊誌などの既存メディアの行く末を考えたときに,SNSを何らかの形で取り込むことによって生き残りを図るという作戦なのだろうか。

監視カメラの横溢と同様に,すべての国民が持つ携帯カメラのネットワークは,これまで見逃してきたような様々な事件の瞬間を地引き網で掬うように漁っている。あるいは,多くの情報番組やバラエティ番組のネタ元は,YouTubeであったり,Twitterで拡散された情報あったりする。それが,マスメディアのシャワーを通じて全国にいや全世界を循環している。


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