2019年9月30日月曜日

日本軍性奴隷制

神戸女学院大学の上野輝将先生の講演記録(2006年)がリポジトリで公開されていた。そのタイトルは,「日本軍性奴隷制(「従軍慰安婦」)問題と最近の動向 」である。大変わかりやすく問題の全体像を語っている。

2000年の「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」がNHKのドキュメンタリーとなったのが2001年で,これに対して中川昭一と安倍晋三が圧力をかけてNHK番組を改変させた問題が明らかになったのが,朝日新聞の2005年の報道である。これをめぐる議論が起こった頃の講演記録である。

この日本軍性奴隷制否定は安倍晋三のデビュー戦であり,戦前の大日本帝国の制度や思想を肯定し,日本国憲法を改変して軍の存在を正当化し,女性差別と民族差別を強化するという問題の中核をなしている。それが,小林よしのりや橋下徹によって増幅され,大衆的に浸透した。この状況を基盤として政権を担当するのが安倍晋三であり,公然と反韓・嫌韓の空気(慰安婦否定+徴用工否定)を醸成している。現在の愛知トリエンナーレに対するテロ+検閲問題の病根は深い。


0 件のコメント:

コメントを投稿