2019年6月14日金曜日

総務省の家計調査報告

金融庁のホームページからの続き)

金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の主目的は,金融業界のための個人投資の推進にあると思われる。結果的には,これを巡る混乱状態のニュースによって国民の注目を集めることができ,金融コンサルティングへと足を向かわせた段階で成功したことになるのかな。官邸や政権与党執行部が大慌てで糊塗しようとしている一方で,金融庁のホームページは削除されていない。

ここで問題とされた内容(=年金だけでは2000万円の生活費が不足する)は,ワーキンググループが検討過程で収集した総務省による「家計支出調査(2017)」に基づくものであって,すでに公表済みのデータにすぎない。最新版は,家計調査報告 家計収支編 2018年(平成30年)平均結果の概要として,総務省統計局から公表されていて,本質的には2017年度の結果と変わっていない。

何故こうなったかというと,麻生財務大臣が6月4日の記者会見で雑な対応をしたのが切っ掛けだった。政府の方針と違うも何も,公表済みの公文書である客観的なデータをないものにすることはできない。それでも取り繕ってしまおうとするのが現在の政権与党とそれを支えるマスコミだ。NHKも金融庁に媚を売るようなストーリーでお茶を濁していた。


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